投資家 investor 2004 3 10

 投資家と持ち上げられても、安易に投資家になってはいけない。
投資家になるには、ある程度の金融知識が必要です。
 たとえば、株式のチャートを見ることができること。
決算書を見ることができること。
 もちろん、専門的な知識は必要ありませんが、
一般的な知識は必要です。
こういう知識がなくても、短期的には勝てますが、
長期的には負けます。
 そういうわけで、投資家教育が盛んなのでしょう。
しかし、ここにも誤りがあります。
国民全員を投資家にしてしまうのは誤りです。
これは、常識で考えれば、わかることです。
 たとえば、800円の株を1000株所有していたとします。
株価というものは、動く時は、一日に、2%から3%程度は、上下します。
ここでは、3%としましょう。
そうすると、一日に、24,000円前後、上下します。
 庶民の一日の日給は、いくらでしょうか。
普通、株式投資は、少なくとも、3銘柄ぐらいに投資します。
そうすると、一日に、50,000円以上、上下します。
 「株価に一喜一憂しない」
これは、金持ちのセリフです。
これでは、庶民は、株価が気になって、仕事ができなくなるでしょう。
技術者は、株価が気になって、技術開発に専念できなくなり、
研究者も、株価が気になって、研究に専念できなくなり、
サラリーマンも、株価が気になって、仕事に専念できなくなります。
 もう一度、言いますが、
「株価に一喜一憂しない」とは、金持ちのセリフです。
庶民は、とうてい、そんなことは言ってられなくなるのです。
庶民の月給を、日給に換算すれば、10,000円から20,000円でしょう。
そういう状況で、株式投資の資産が、一日に、50,000円も上下しては、
とても、仕事どころではなくなってしまいます。
 それならば、小口投資がいいのではないかと考えるでしょうが、
やはり、株式投資は、ある程度の規模がないと、効率が悪いのです。
 うまい話に騙されてはいけません。
これも、ひとつの甘い罠です。
 そういうわけで、庶民には、投資信託がベストなのですが、
数年前まで、投資信託は、運用が上手ではなく、ひどい成績でした。
しかし、最近は、優秀な投資信託がありますので、期待できます。
 株式投資は、投資信託か、株主優待制度のための株主で十分です。
株式投資は、資産形成において、補完的なものです。
資産形成において、株式投資が、主流となってしまうと、
庶民は、生活が破綻するでしょう。
(追加)
 決算書と言うと、むずかしいと考えてしまうでしょうか。
それは、固定観念です。
今、高齢者の間で、マージャンが流行していると聞きます。
 決算書は、マージャンを覚えるよりも、簡単です。
マージャンには、複雑な役作りや、複雑な点数計算があります。
さらに、捨てた牌から、相手の手の内を読むという推理があります。
決算書は、マージャンほど、複雑ではありません。





































Stock market conditions へ戻る